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BABY POO2

ハルへの手紙

ハルへ

これをみているハルは
私よりずいぶん背が高くなって、すね毛やヒゲも生えていたりするのかな。
好きな人ができたり、つきあったり別れたり、私の知らないところで自分の人生の楽しすぎることや悲しすぎることを心の中にたくさん持ちながら生きているのかな。
ごはんもたくさん食べるようになっているのかな。
時々お酒をのんだりもするのかな。

私はしわがぐんと増えて、白髪を抜いたりしているのかな。
お化粧では隠せないものがたくさん出てきていて、時々それをうれいたり開き直ったりしているのかな。

今、ハルは「ねんねの部屋」でぐうぐう寝ていて、もう朝日もすっかりのぼってずいぶん時間が経つというのにあいかわらず夢の中。思えば生まれてから今まで、宵っ張りだけどとにかくたっぷり寝る子。大きくなったハルは、早起きして学校やお仕事にいけているのかな。

走るのが大好きで、奔放で、遊ぶことが大好きで、通り過ぎる子どもたちを全員「トモダチ!」と呼んだり
分解するのが好きで、片付けるのが苦手で、お調子者で、人が大好きで、大勢で走ったり遊んだりするのが大好きで、車や重機が大好きで、燃えやすいけど飽きやすくて、集中すると呼びかけてもまったく聞こえなくて、ホットケーキミックスをボールの中であわ立てているときの中身をこっそりなめるのが好きで、アイスが大好きで、夜寝るとき「ママ、ダイスキヨ!」といってくれたり、ドラえもんが大好きだったり、ゴーバスターズをなぜか「ゴスターダム」と発音し続けたり、バイキンマンが大好きで、ハルが歌っているときに私が一緒に歌うと「ママはうたわないで!」と言ったり、おばけが怖くて「おばけの時間だよ」と言うと、すぐにふとんにもぐったり、夜「キャー」と奇声を発するので「ヘビがくるかも」と言えば、しばらく静かになってそれから真顔で「ヘビ・・・こないね!」と言ったり、お店の人や道行く見知らぬ人に親切にしてもらえば、「アリアトー!」と、元気にお礼を言ったり、「ハルちゃん、チュウしてー!」と言えば、タコの口をしながら走ってやってきて「チュウウウウー」としてくれたり、コーラが好きで制するのが大変だったり、人とさよならするのが嫌すぎてこの世の終わりみたいに泣き続けたり、怒るとすごい勢いで抗議するけど、きちんと話せば納得してその後さっぱりと仲直りしたり元気になったり―

そういう要素のいくつかが残っていて、いくつかはなくなっているのかな。

―さて。
ハルが「エー、エー、エー!!」と、かぼそい産声をあげながら、こっちにやってきてくれた時から3年間。
私の心の中でいろんなことがありました。

投げやりだったり、逃げたがりだった私にとっては、人生の衝撃。
それまでママは
「めんどうくさかったら、ひとまずどっかいっちゃえばいいやー。」
という考え方で行き続けていたから。

それがさ。
目の前に一緒に過ごすハルが、大事すぎて大好きすぎるから、逃げるわけにはいかない事態になったわけよ。
パパとケンカしてどうしようもないくらい落ち込んだり、人の言葉に傷ついたりすることも日々それなりにあったし、そういう気分を毎日に持ち込まない、なんて器用なことはできなくて、苦笑いでハルに接してしまったこともあった。ハルの前でおいおい泣いてしまったこともあった。しかもその後「ハルには何も関係がないのに。」と、自責の念にかられて、ますます暗くなったり。(それこそハルには何にも関係がないはずなのに!)
くりくりの目で私を見つめ返すハルの赤ちゃんのときの顔や、言葉がしゃべれるようになってからは「ママ、ワラッテ!」と、リアルに励ましてくれたりしてた。
感謝するいっぽう、ハルに心配かけるなんて、こりゃイカン、と決まって最後は思ったものだったよ。

大好きなハルに笑っていてほしい。
大好きなハルにハッピーでいてほしい。
大好きなハルに安心してほしい。

これが私の変わらぬ一番の願い。
で、それをかなえるために何が必要か、っていったら何よりまず

私自身が笑っていて、ハッピーで、安心している、という状況を維持すること

ということを、ある時ふと腹の底から実感したことがあったんだ。

ハルを大事に思う、ということは、私が自分を大事にする、ということだった。
当たり前のことかもしれないけど、それを体感したときは目からウロコだったよ。
それまでは「自分を犠牲にしてこそ人を尊重できる」くらいに思っていたネガティブな自分だったから。

「子どもを教えるのではない、子どもに教えられるんだ」
なんて、言葉でいうのは簡単だけど、それを実感するっていうのはまた違うことなんだな、と思った。
これはハルが私に教えてくれた、新しい感覚。

ハルが生まれてきてくれたことで、私は自分の、自分としての人生をリニューアルすることができた、と本気で思う。

ハルが生まれてきてくれてよかった。

自分が生まれてきてよかった、と全身で100%本気ではじめて思えた。

自分のやりたいこと、とか
自分のいきがい、とか
自分探し、とか

私は20代のときにそういうことと奮闘して考えまくっていたんだけど、そういう言葉たちが全部ちいさく感じられるようになった。

だって

ハルと一緒に生きているこの状況がすでにすばらしすぎて。

愛して愛される。
そのために自分を大事にする。
だから相手を大事にできる。

それが生きる真理なのかもしれないなあ、と思った。切に。
(いってしまえば自分本位で身勝手なのには変わりないんだけどね!)

本当に自分を大事にするって、自分のやりたいことを叶えるという実際的なこと以前に、自分を「よしよし」してあげる気持ちを持つことなんだなあ、って思ったよ。

自分が目の前のハルを「よしよし」したのを同じように。

―最後に。
ママの夢をひとつ。


将来、ハルと居酒屋で熱燗を呑み交わしたい!!



・・・足の先から、頭のてっぺんまで
私のもてる限りの愛情を、こめまくって。


―ママのところにやってきてくれて
ありがとう、ハル。


2013年2月5日10時30分
静岡市清水区幸町の家の居間にて

ママより



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